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トッキー
2022.9.13 11:10メディア

平和ボケと自虐史観に完全に侵された放言

表現者クライテリオンは、いい雑誌だと思います!

特に7月号と9月号に載っていた武術研究家・甲野善紀氏の話には、学ぶところが多くありました。

その「表現者クライテリオン」が、よりよい雑誌になってほしいと思うからこそ指摘させていただきます。
7月号の巻頭コラム「鳥兜」は、映画監督・河瀨直美氏が東京大学で行った祝辞を何故か過大評価していて、それを批判した慶應大の細谷雄一教授を猛烈にこき下ろし、こう書いています。

〈この学者は、「自己の相対化を説く講話は平時ならば格調高い祝辞になるかもしれないが、ロシアと心理戦を交えることになった今、そのような発言は慎むべきだ」とも述べていた。紛争当事国でもない日本の映画監督にそれだけ言うのだから、八十年早く生まれていたら、さぞかし立派な「国民精神総動員」の指導者になったであろう。〉

細谷氏が「今、そのような発言は慎むべきだ(※)」と述べたのにもはっきり理由はあるのですが、それはまた改めて論じることにして、今日取り上げたいのは、その細谷氏の発言に対して鳥兜筆者が言ったことです。
(※実際の細谷氏の発言は「今、そのような発言は慎むべきだ」という表現ではありません。詳細は次回で)

「紛争当事国でもない日本」

この一言だけで、鳥兜筆者がほとんど無知でモノを深く考えない、軽薄極まりない人物であることは明白です。
日本はウクライナ戦争において欧米と歩調を合わせ、ロシアを非難し、経済制裁に加わっています。
その報復措置として、ロシア政府は日本を「非友好国」のリストに加え、事実上の「敵国」に認定しています。
日本はとっくに「紛争当事国」に片足突っ込んでいるのです。

しかも、もしロシアがウクライナ侵略に成功すれば、次は中国が台湾を狙うことは目に見えています。
ウクライナ戦争の行方は、日本の国防と直結しているのです。

そして、ロシアの侵略が成功して国際法秩序が崩壊し、世界が弱肉強食の帝国主義の時代に逆戻りしてしまったら、十分な軍備を持たない日本やその他の小国は独立の維持も困難になってしまいます。
国際法秩序維持のため、日本にとっても死活問題となる戦争なのです。

さらに言えば、そもそもロシアとは第二次世界大戦の講和条約も結んでおらず、北方領土を不法占拠されたままです。
ロシアはもともと「敵国」なのです。

それなのに「紛争当事国でもない日本」だなんて、平気で言える日本人がいるということが私には信じられません。
平和ボケが脳髄の芯まで染みわたっていない限り、ここまでウクライナ戦争を「他人事」として見ることなどできません。

そういえば、藤井聡編集長は同誌の中で、ウクライナ戦争のことを「日本と無縁の遠くの異国の戦争」と言い放ちました。これにも呆れ果てましたが、これと鳥兜筆者の「紛争当事国でもない日本」という言葉、全く同じ発想ですよね? まるで、同一人物みたいに!!
もっとも藤井聡編集長は、鳥兜筆者は自分じゃないと明言していますが。

そして、これに続く「八十年早く生まれていたら、さぞかし立派な「国民精神総動員」の指導者になったであろう」という非難ですが、これもまたわけがわかりません。
なんでここで唐突に80年前の「国民精神総動員」が出て来るのでしょう?

これはもう、何か気に食わないことがあったら即座に「それは戦時中の日本の〇〇と同じだ!」とテンプレで叫び出す、玉川徹と全く同じ思考パターンです。

自虐史観が脳髄の芯まで染みわたっていない限り、ここでいきなり「『国民精神総動員』の指導者」なんて罵倒は思いつきません。

鳥兜筆者は一切熟慮をせず、平和ボケと自虐史観に完全に侵された放言を書き散らす人であり、決して「保守思想誌」に文章なんか書かせちゃいけない人なのです。

最後に、初めに触れた甲野善紀氏の記事から、特に印象に残った言葉を紹介しておきます。
「今は指導者が甘やかされて試されない時代になってしまっているので、いい加減でも通るので、いろいろ劣化していくのです」

どっかの雑誌の編集長に聞かせたい言葉です。

 

【ロシベタクライテリオン論破祭り】
第1回 ウソついて逃げるクライテリオン藤井聡!
第2回 ロシアのプロパガンダを「多面的な解釈」と強弁する藤井聡!
第3回 道路交通法と国際法の区別がつかない藤井聡!
第4回 藤井聡の言う「多面的解釈の外交」とは何か?
第5回 NATOの東方拡大はアメリカの「裏切り」か!?
第6回 確かにアメリカは悪い! けど…?
第7回 ロシア経済崩壊の「主犯」は誰か?
番外編 藤井氏動画コメントに見る、クライテリオン読者・支持者の「程度」
第8回 藤井聡が依拠する、伊藤貫の「国際情勢認識」の正体
第9回 藤井聡氏に小学校の国語のテスト。
第10回 クライテリオンは朝日と産経の「悪いとこ取り」
第11回 ブチャ虐殺を「フェイク」だと思っていた藤井聡
第12回 「魔女狩り」という言論封じワード
第13回 もう一度、道交法と国際法の違いについて。
第14回 藤井聡氏の国際法軽視は西部邁氏の悪影響か?
第15回 明日よりクライテリオン論破祭り、最終章!
第16回 河瀨直美の祝辞はどう見ても「どっちもどっち論」「相対主義」(しかも日本絶対悪主義)だ!
第17回 篠田英朗氏は河瀨直美氏を「魔女狩り」したのか?
第18回 池内恵氏は河瀨直美氏を「魔女狩り」したのか?
第19回 細谷雄一氏は河瀨直美氏を「魔女狩り」したのか?
第20回 国連決議の「多数決」で「正義」は語れない?
第21回 「一般的道徳」って、何だろう?

 

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第117回 令和6年 5/25 SAT
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